オープンガーデンいわき

　 いわき市を横断するかのように小川から四倉に抜ける県道、小野四倉線を車で走らせる視界に入るのは青々と広がる田園地帯。横道に入り、田んぼの中を進んで行くと１軒の農家が見えてきます。エントランスには大きな藤棚が手を広げるように訪問者を迎え、５月には藤が作る薄紫のベールを囲むコデマリとカラーの純白が、青空を背景に美しいハーモニーを奏でています。藤棚の下には錦鯉が泳ぎ、そこから轟々と流れ落ちる水の流れも清々しい。
　 敷地内に入ると、とにかく広い。裏山と庭で５ヘクタール程だそうです。中でも裏山の法面に築かれた石垣が延々と続く様は圧巻の一言。これは庭主の鈴木百合子さんが４年間をかけ、女手ひとつで組み上げたもので、当初は草刈りをしていて邪魔だった石をどかして積み上げていたものが、年月とともに伸びていった結果とか。「やってたらなんだか面白くなっちゃってね」と、60歳を過ぎての“偉業”を苦にもせず、快活に笑うバイタリティに脱帽です。
　 裏山には立派な杉林。広大な敷地ですがとても良く手入れがされていて、遊歩道を散策すると心が洗われる気持ちです。「手入れした分、山は絶対裏切らないから」という力強い言葉が印象的でした。